New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


アメリカ人のエクスキューズ癖 ?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA Masakiです。日本からの駐在員に多くある「アメリカ人に対する不満」の一つに、「アメリカ人は、直ぐエクスキューズばかりして、問題解決に取り組まない!」っという事があります。下記は、実際にあった話しですが、皆さんは、どう感じられますか?

<バックグラウンド>

とある日本の消費者が、横浜にあるとある出版社からアメリカ人著の原本を購入しました。クレジットカードの支払いも済ませたにも関わらず、商品が届きません。一週間後「出荷の状況をお知らせ下さい。」とE-mailで問い合わせた所、何の返答もありませんでした。更に一週間経過後、突然下記のようなメールが届きました。

We checked our records and your magazine shipped out on June xx. As we state on our website, most international orders take about two weeks. However, this is the post office’s estimate and we’ve found that sometimes it takes much longer. We’re very sorry, but we have no control over this.

We think your magazine will arrive shortly, though.

Sincerely,

消費者の方は、当惑してしまいました。
1.  何で、英語のメールで届いたの?日本の会社じゃないの?
2.  「International ordersは、2週間位掛かる」って言っているけど、横浜から日本国内の住所なんで、Domesticじゃないの?¥700の決済も済んでるし。
3.  「As we stated on our website,」webにちゃんと書いてあるっていうけど、私が読んでいない事を責めてるの?
4.  「, but we have no control over this.」って、私たちは既に出荷したんだから、後は、郵便局の責任って事を言いたい訳?お金は、ちゃんと取っているのに?

上記は、仕事上での問題ではありませんが、異文化コミュニケーションの面白いケースになっておりますね。売り手は、多分、言い訳や相手に不快感を与えようとは思っていないかもしれません。(実際には、分りませんが。) 但し、買い手は、明らかに「この会社に対して、とっても悪い印象」を抱いてしまったようです。

英語で返答を返した担当者が意図した事を想像してみて下さい。どのような価値観に基づいて、上記のような返答をしたのでしょうか?

もし、私が担当者で日本人に対して返答するとしたら、下記のようになると思います。勿論、返答に2週間もお待たせしません。

「この度は、配達が遅れているとの事、大変ご心配お掛けしております。申し訳ございません。私どもで調べた所、6月xx日に出荷がされております。諸事情により郵便が遅れることもございますので、6月xx日までに配達されないようでしたら、恐れ入りますが、もう一度山田まで、ご連絡下さい。直ぐに対応させて頂きたいと思います。」

この場合は、何を意図した返答なのでしょうか?どのような価値観に基づいての対応なのでしょうか?(サイト上に説明が載っているとか、郵便局が悪いなどというニュアンスは、一切、書きませんね。)

こちらも想像してみると、異文化のミスコミュニケーションの危険性を理解しやすいかと思います。



Live to work or Work to live?

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Masakiです。カリフォルニアって、多くの波乗りのポイントが州立公園になっているんです。心と身体に気持ちいい事に、国民を上げて取り組んでいる感がありますね。世界中からサーファーが集るトラッセルズ!一般的に景気が良かろうが「悪かろう」が、「それはそれ、これはこれ」で両方に全力投球している感じを受けます。

私のセミナーでも良く話題になるのですが、Live to work or Work to live…

「働く為に生きている」つまり、仕事があっての人生でしょう?先ず、お金がなきゃ、始まらないでしょう?という発想ですね。私を含め日本人は、この発想の方が多いかも知れません。アメリカに移住した当初、住む場所を失って、老人ホームにお世話になっていた時期がありました。この時期は、100% Live to work でしたね。余りにも生活が苦しかったので、「年棒いくら」「会社で役職につく」とか、「キャリアアップ」を目標に10数年頑張ってきました。すると、知らず知らずの内に、生きる事の目的自体が「働く事」にすり替わってしまうんですね。

その対極が「生きる為に働く」つまり、仕事は自分を活かす為の手段の一つ、自分自身を生き切る為の糧の一つという発想です。私の周りのアメリカ人には、Work to live の人達も多い感じがします。日本では、余りお目にかかれなかった価値観をもった人達です。意外に多いので、ビックリしています。しかも、全員が全員貧乏というわけでもなく、経済的に成功を納めている方達も、思いのほか、います。

どちらの発想が良いとか悪いとかの話しではありません。但し、皆さんがグローバルに仕事をしてゆく上で、この価値観の違いがある事も考えて仕事を進めて行くと、効果的に恊働できるのではないでしょうか。 個人的には両方のバランスをいつも意識して、人生の目的を忘れない事でしょうかね。もっともっと、広く深い視野で生きて行きたいですよね。 私の場合は、「死ぬ気で遊び、死ぬ気で働き、死ぬ気で愛す」でしょう。じゃないと、人生もったいないです。もう余り残ってないのかもしれないし。。。やっぱり、究極は、「Love to work」ですかね?

T Map



アメリカ人の上司

日本出張中、こんな事を聞かれました。基本的に上司には「角を立てず、従順に」接 するのが当たり前です。では、アメリカアメリカ人上司を持った場合、彼らにどう接するべきですか?

私自身の経験と同僚の行動をみて来ての経験から申しますと、Fairnessを念頭において接すると信頼関係を構築しやすくなるでしょう。自分の主張は、自分の思い込みだけじゃ無く、相手にとってもFairかどうか。相手の主張は、Fairかどうか。お互い確認を取りながら接すると、互いの価値感がわかり、話しが進め易くなります。それから、ただ単に従順なだけですと「仕事ができない人」などといった誤解を与えてしまうかもしれません。仕事に対して、プロとして、仕事への取り組み方の軸を持つ事が大切です。いつもプロとしての軸足にそった主張をする事により、相手から尊重され、信頼を得られる事に繋がると思います。表面的な関係に捕われ過ぎず、仕事を軸とした深い信頼関係を築く事に注力して下さい。意見の対立は、当たり前のことです。恐れず、Fairnessを基本に信頼関係構築に取り組んでみると違った結果が出て来るかもしれませんね。



転職は難しい PartII

 

Masakiです。この話題について、面白い見解をドラッカー氏が述べています。下記に抜粋します。

”「得るべきところはどこか」を慎重に考えた結果が、今働いているところではないということであるならば、次に問うべきは、「それはなぜか」である。「組織の価値観になじめないからか」「組織が墜落しているからか」。もしそうであるならば、人は確実にだめになる。自らが価値ありとするところで働くのでなければ、人は、自らを疑い、自らを軽く見るようになる。— 省略 — このように自らがところを得ていないとき、あるいは組織が腐っているとき、あるいは成果が認められないときには、辞めることが正しい選択である。出世はたいした問題ではない。重要なのは、公正であることであり、公平であることである。さもなければ、やがて自らを二流の存在と見るようになってしまう。”

これからの社会の牽引役になるであろう知識労働者に向けられた意見である。皆さんの現実と比較して、このコメントをどう思いますか?

参照:  プロフェッショナルの条件 P.F.ドラッカー著 ダイヤモンド社



Low Context Culture

Masakiです。前回は、High Context Cultureについて話しました。今回は、その対極にあるLow Context Cultureについて展開してみましょう。

グローバルビジネスでは、一般的にLow Context Cultureの環境である事を前提に取り組んだ方が効果的に物事を進められます。Low Context Cultureとは、社会を形成している人達の異質度が高く、共有する価値観の幅が狭い文化をさします。つまり「お互いに理解し合えなくて当然」という発想に立った文化です。

例えば、国際空港などはLow Context Cultureを前提に考えられています。海外旅行が初めての日本人でも、海外からの人で日本の習慣が分らない人でも問題無く利用出来ます。ルールが明確に決められているのです。出国するには、チェックイン、搭乗券の受け取り、セキュリティーチェックを通り、出国手続き、そして各ゲートに行く。これらのルールは、初めての方でも分る様に、明確に示されています。これらの求められる行動は、High Context Cultureにみられる「あ、うん」の呼吸で行われるものではありませんね。また、日本特有の行動様式でもありませんね。「この人は紳士みたいだから、セキュリティーチェックはいらないね。」何て事は、ありえません。

ここで前回の例をLow Context Cultureに置き換えてみるとどうなるでしょう。分り易い様に、かなり簡略しております。

“Please rewrite your summary report like a business professional.”  (High Context Culture)

“Please rewrite your summary report, starting with your recommendation or summary, followed by reasoning and supportive data.”  (Low Context Culture)

つまり誤解を避ける為、言葉数を増やしてでも、できるだけ内容に具体性を持たせ解釈の幅を狭めるような表現をすると効果的にコミュニケーションができるという事です。

Low Context Cultureに対応するに当たって、日本人のようにHigh Context Cultureの環境で生活している人達の最初の関門は、”自分の思考を自分自身で明確に把握する事” です。これには、かなり高い意識をもって時間を掛ける事になります。自分自身の思考変革トレーニングです。これもBeingに働きかける事になりますね。

皆さん、グローバルビジネスの現場で、思い当たる事はありませんか?

*High context culture and the contrasting low context culture are terms presented by the anthropologist Edward T. Hall in his 1976 book Beyond Culture.