New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


Low Context Culture

Masakiです。前回は、High Context Cultureについて話しました。今回は、その対極にあるLow Context Cultureについて展開してみましょう。

グローバルビジネスでは、一般的にLow Context Cultureの環境である事を前提に取り組んだ方が効果的に物事を進められます。Low Context Cultureとは、社会を形成している人達の異質度が高く、共有する価値観の幅が狭い文化をさします。つまり「お互いに理解し合えなくて当然」という発想に立った文化です。

例えば、国際空港などはLow Context Cultureを前提に考えられています。海外旅行が初めての日本人でも、海外からの人で日本の習慣が分らない人でも問題無く利用出来ます。ルールが明確に決められているのです。出国するには、チェックイン、搭乗券の受け取り、セキュリティーチェックを通り、出国手続き、そして各ゲートに行く。これらのルールは、初めての方でも分る様に、明確に示されています。これらの求められる行動は、High Context Cultureにみられる「あ、うん」の呼吸で行われるものではありませんね。また、日本特有の行動様式でもありませんね。「この人は紳士みたいだから、セキュリティーチェックはいらないね。」何て事は、ありえません。

ここで前回の例をLow Context Cultureに置き換えてみるとどうなるでしょう。分り易い様に、かなり簡略しております。

“Please rewrite your summary report like a business professional.”  (High Context Culture)

“Please rewrite your summary report, starting with your recommendation or summary, followed by reasoning and supportive data.”  (Low Context Culture)

つまり誤解を避ける為、言葉数を増やしてでも、できるだけ内容に具体性を持たせ解釈の幅を狭めるような表現をすると効果的にコミュニケーションができるという事です。

Low Context Cultureに対応するに当たって、日本人のようにHigh Context Cultureの環境で生活している人達の最初の関門は、”自分の思考を自分自身で明確に把握する事” です。これには、かなり高い意識をもって時間を掛ける事になります。自分自身の思考変革トレーニングです。これもBeingに働きかける事になりますね。

皆さん、グローバルビジネスの現場で、思い当たる事はありませんか?

*High context culture and the contrasting low context culture are terms presented by the anthropologist Edward T. Hall in his 1976 book Beyond Culture.