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聞くことの大切さ その2

morio-itozu-photo-1morioです。今回のG20首脳会議は、事前の予想では、なかなか意見がまとまらず、ヨーロッパ対米国という形の激しい対立になるのではないかと思われていましたが、
多くの識者の反応は、成功に終わったということです。

ただ顔を合わせただけで何も身のあることが決まらない会議が多い中、今回は普段厳しいコメントで有名なジョージソロス氏も高く評価しています。
議長国のイギリスのブラウン首相の努力はもちろん評価されるべきと思いますが、私にとっては会議直前のアメリカのオバマ大統領の言葉が印象的でした。

4月1日のロイターによると、オバマ大統領は、ブラウン首相との会見でG20について、「私は考えを示すため、そして講演をするのではなく、耳を傾けるためにロンドンにやってきた。」と述べています。

アメリカの大統領が、自国の利益を守るために自国の主張を繰り返すのではなく、相手の話を聞くという姿勢が、防衛的になりやすい交渉の場を変えたように思います。

もちろん自己主張することは大切です。でもそれだけだと、相手から見ると自分の利益だけにフォーカスする我がままな存在という印象を持たれる危険もありますが、相手の話にも真摯に耳を傾ける姿勢が加わると、防衛的な雰囲気から建設的なWin-Winを目指そうという意識が両サイドから生まれます。

人間、面白いもので、直接会って自分の思いをしっかり聞いてくれた、分かってくれたという実感を相手から受け取ることができると、相手の話も聞いてみようという気持ちにもなり、たとえ最終決定が自分の目指していたものとは異なっていても、歩み寄り納得することができます。

直接会い、顔を突き合わせて、相手の話をしっかり聞くことが、相手の距離を短くし、解決策を見つけるためには大切な行動だということを再確認しました。