年初に思うこと
01/24/2010, 23:06
Filed under: - グローバルビジネスに欠かせない人財, - 日本人の特徴と行動パターン, @morioの投稿記事 | タグ: アジア, アメリカ, グローバル, コミュニケーション, ビジネス, 海外
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morioです。このところいろいろな人と話すと、どうも今の日本では、リーマンショック以来、グローバルとか海外、アメリカに関するトピックは売れないと言われます。特に出版社はこのトピックのタイトルの本を売るのを避けているという話も聞きました。
アメリカがサブプライムローンから始まる今回の世界的な不況を生み出したからか、アメリカやアメリカ的なビジネスやグローバルという言葉に対して風当たりが強いようです。人々の気持ちも分かります。でもビジネスプロフェショナルとして現実をしっかり見ることが大切ではないでしょうか。
内需だけで産業が栄え、人々暮らしが豊かになり、生活できるのならそれでもよいかもしれません。でも、海外とビジネスをして糧を得るのが今の日本の現実です。鎖国というオプションはありません。
今後アメリカ一辺倒だった時代からアジアにシフトしていくことは、確実でしょう。そうした海外の動きに注目し、どうしたらビジネスチャンスを広げていくことができるか、これはいつも忘れてはいけないテーマです。
アジアの国々でビジネスで活躍している人たちの中には、英語をベースにして高等教育を受けた人たちが多くいます。そして欧米の大学、大学院に留学した経験のある人たちも多いです。
日本のようにたくさんの本が母国語に翻訳されて出版され、母国語をベースに勉強できる国は世界でも限られています。翻訳と出版のコストや手間はあまりに高いので、多くの国の人たちが最先端の技術や理論を勉強する際には、直接英語で勉強するしかオプションはありません。エンジニアリング、科学、経済、経営、どのトピックでも原書、英語で勉強しています。ですから彼らと同じビジネスの言葉を使えて、同じコミュニケーションの仕方ができると人間関係作りがスピードアップします。彼らとオープンなコミュニケーションができ、信頼できるビジネス関係を成立し維持できることが、ビジネスプロフェショナルの要件にますますなっていくでしょう。ちなみに今年、彼らが注目する本を英語で一冊読んでみるというのも一つのアイデアです。
日本人としっかりコミュニケーションできるスキルを持ち、外国の人たちに通じるコミュネーションの仕方を身につけ、状況に対応してギアチェンジ、スタイルスイッチできると自分の価値を高くできます。
やっと今年になってから少し外に目を向ける兆しもでてきたようです。経団連の新しい会長に住友化学の会長、米倉弘昌氏に決まりました。今までのグローバル化の腕前に期待されての登板のようですし、先日のsamuraiさんのコメントによると外に目を向けようという動きも出てきたようです。
まだまだささやかな動きかもしれませんが、みなさんとグローバルな世界で活躍するビジネスプロフェショナルとなるヒントを今年も考えていきたいと思います。
1件のコメント
High Context Culture
01/17/2010, 16:44
Filed under: - 日本人の特徴と行動パターン, @masakiの投稿記事 | タグ: アメリカ, コミュニケーション, ビジネス, Being, Doing, 英語, High Context Culture, Low Context Culture, 日本人
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Masakiです。先月アメリカのビジネスマンに対して、マネージメントセミナーを実施しました。その時、日本人とのコミュニケーションで苦労するのは、どんな事かを聞いてみました。勿論、英語の発音とか表面に現れる事項もあったのですが、文章にしてもらっても、何を言わんとしているのか理解できない事が多いとの回答が多く寄せられました。
具体的な例としては、日本人のトップから次の様な指示を受けたと言うのです。
“Please rewrite your summary report like a business professional.” 本人(アメリカ人)としては、「ビジネスのプロの様なレポートって何だ。」と思い、質問してみると、「そんな事も分らないのか。自分で調べろ。」と叱られたそうです。
一般的に、日本人が英語でコミュニケーションをとると「使われている英単語は理解できるのですが、何を言いたいのか全く見当も付かない事が多過ぎる。」との事でした。
この事は、以前Noriさんが紹介していましたBeingに関する問題です。いくら上手に英単語、英文法を駆使しても、つまりDoingに当たる技術ですが、コミュニケーションが上手く取れないという事です。
日本は、世界でも数少ないHigh Context Cultureを共有している国です。アラブ諸国もHigh Context Cultureの国と受け止められています。High Context Cultureとは、長い時間を掛けて人との繋がりを緊密に培って来た社会、又は、グループが共有している思考、行動様式と言われています。
つまり、High Context Cultureの中で生活している人達は、多くの暗黙の了解を共有している為に、一々細かく指示されなくても、お互いがやるべき事、やってはいけない事が分る状態にあります。一番分り易い例は、家族とか夫婦の関係でしょうか。あ、うん、の呼吸といったものです。
この様に自分が持っている不文律が余りにも当たり前過ぎて、その存在すら認識していない、又は、理解しないで、そのまま第三者に自分の考えを伝えようとすると、相手にとっては、意味不明なものになってしまう事が多いのです。
先の例ですと、”ビジネスのプロの様なレポート”とは一体どんな物か。先ず、自分自身がイメージしている物を明確に書き示す事です。それを踏まえた上で、書き示された説明が、日本人固有の考えに基づいているのか、社内固有のルールに基づいているのかを見極める事です。
この事をきちんと理解した上で、同じ不文律を共有していない相手に説明するようにすると、もっと効果的なコミュニケーションが取れる様になります。
もし皆さんが、一生懸命相手に英語で説明しても、中々理解して貰えないという経験がおありでしたら、High Context Cultureに基づいてのコミュニケーションになっていないか確認してみて下さい。
次回は、High Context Cultureの対極にあるLow Context Cultureについて触れてみたいと思います。
*High context culture and the contrasting low context culture are terms presented by the anthropologist Edward T. Hall in his 1976 book Beyond Culture.
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