New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


チームワーク Part 3

Masakiです。前回はチームワーク日本社会というテーマに絞ってみました。今回は、Team Buildingグローバル社会について考えてみたいと思います。

私が日本で仕事をしていた時、就職というより就社という意味合いで働いていたのかもしれないとう話しをしました。グローバル社会を考えてみますと、やはり就職という感覚の方が強く感じられます。

以前、中国人の同僚や友人と”会社への忠誠心”が話題になりました。彼等からは、就社意識とか会社への忠誠心は余り感じられませんでした。しかもキャリアスパンも3〜5年と短く、「アメリカに似ているな〜。」何て思いました。

日本の会社を引き合いに出して、「どうして会社自体に魅力がないの?」などと聞いてみました。彼等からの言い分をまとめてみると、「改革開放以降、沢山の会社ができ、それと同時に沢山の会社も倒産した。」「会社に人生を掛けるなんてギャンブルは、とてもできない。」「自分の職、プロフェッショナリティに力を付け、自分の市場価値を高める事で生き残りを掛ける。」「会社は、仕事や成果で報酬を払ってくれるところ。」などがありました。

アメリカ、中国でのビジネスでは、プロの仕事に対して報酬が払われる傾向があるようです。現在のビジネス環境を考えてみると、以前のように何十年、何百年とトップで走り続けられる企業も少なくなって来ているように思えます。また、急激に、そして永続的に続く経済成長も考えられません。このような環境では、特にグローバルな視点からみて、”会社依存型” の労働力よりは ”プロフェッショナル型” の労働力の方が自然な形なのではないでしょうか。

グローバル環境で、プロ意識が高い人達が集って共同作業をするとなると、やはりTeam Buildingという形になるのではないでしょうか。イメージ的には、野球のチームですね。ピッチャー、キャッチャー、ショート、4番バッターなど、それぞれプロとしてやるべき仕事があり、全員の力を合わせて勝利に向って突き進む。そんなTeam Building を軸にしたTeam Workがグローバル社会で意味するところのTeam Workだと思います。

この場合、仕事のスキル、個人のバックグランドなど、多様性に満ちた人間の能力を最大限に引き出し、牽引して行く力が必要です。つまり、リーダー的存在が重要になってくるのではないでしょうか。野球でいうと監督でしょうか。

日本の会社での ”まとめ役” とはちょっと違う役割をグローバル社会は求めているのかもしれません。いかがでしょう?



英語

noriです。今、京都から東京に向かう「のぞみ」の中で書いています。今回の日本出張では数名の方々から全く同じ質問をされたので、これは皆さんにもシェアしたいと思います。「仕事で英語を使うのが本当に辛い。どうしたらうまく話せるようになるのか」という素朴ながら多くの人が悩んでいる課題です。

仕事柄、英語でのコンサルティングやトレーニングを数多く実施する私も、もちろん英語をネイティブなみに使うまでには大きな苦労があったわけです。アメリカに高校留学した時、最初の授業では先生が自分の名前を読み上げた以外は100%理解できず、日本の学校で英語がトップだったプライドは見事に消え去りました。それ以来、必死になって励んだわけですが、まずは次の3つの方法をお薦めできると思います。

1.とにかく日頃から、自分の考えや提案を表現する短い英語のセンテンスを用意しておき、いつでも言えるように訓練する。最初は10個くらいでもよく、どんどん足していく。ここでのポイントは、より多くの人たちにそれらをシェアすることによって、自分をより広く深く理解してもらうこと。

2.ビジネスにおいては結果重視なので、相手の言ったことがわからなければ、自分の責任において相手に繰り返し説明してもらうよう要求すること。相手に申し訳ないと思ってそれを躊躇するのは、逆に相手に失礼。効果的な意思の疎通ができるかどうかは、常に話す側と聞く側の50−50の責任であり、こちらの英語力に合わせて説明するのは相手の責任と考える。

3.ボディランゲージと口調(トーン)を意識的にコントロールすることによって、英語言葉の不適切さをカバーする。なかでも視線を合わせる、表情を変化させる、そして声を大きくする、は日本人ビジネスパーソンにとって特に明記すべきポイントである。

皆さんの知恵もシェアしてください。



自分の物差し、相手の物差し

morio-itozu-photo-1morioです。日本育ちの私は、ものを測るときに日常センチメートルの物差しを使っています。アメリカ生まれでアメリカ育ちの我が家の子供たちはインチの物差しを使っています。同じものを測っても違う数字、データになり、お互いに噛み合ないこともしばしばです。

理想は懐にたくさん物差しを持っていて状況に応じて使い分けられれば良いけれどなかなかそれはむずかしい。

グローバルな世界で仕事をするとき、自分の1つの物差しだけに頼って世界中の物事を測って判断すると、トラブルが起こります。

みんなそれぞれ自分の物差しを持っていますから。

理想の会社、理想の組織、理想のリーダーシップ、理想の上司、部下、理想の社員、チームワーク、会議の進め方、仕事の評価、時間の使い方や配分、労働時間、品質、等々。それぞれに対して自分の物差しの特徴と相手の物差しを理解しておかないとトラブルになり、結果的にお互いが不満になります。

そうならないためには、お互いがそれぞれの項目に対してどんな物差しを持っているか、期待を持っているか、事前に徹底的に理解し、確認するまで話しておかないといけません。実際にトラブルが起こる前に(みんなが落ち着いている時に)、話し合うことが大切です。

グローバルな世界で仕事をするためには、お互いの物差しの違いを理解するだけでも日本国内で働いている時よりたくさんのコミュニケーションが必要になります。

 



チームワーク Part 2

masaki-photo

 

Masakiです。前回の投稿記事、チームワークに関して、CheburashkaさんからのコメントからTeam Buildingという考えが出て来ました。チームワークTeam Buildingの捉え方の違いを日本社会グローバル社会という切り口から掘り下げたいと思います。

今回は、チームワーク日本社会というテーマに絞ってみたいと思います。

私が日本で仕事をしていた時、上司から、「チームワークを良くして、仕事を進めるように。」とか、「仕事は、一人じゃできない。部を上げてチームで取り組むべきだ。」などと良く言われました。その当時は、何の疑問も無く「そうですよね。」と納得して、皆で仕事をしていました。

今、日本から離れて「どうして、すんなりと皆で仕事をする事に違和感を持たずに入れたのかな〜。」っと自問自答してみました。

先ず会社に入った当時は、就職というより就社という意味合いで働いていたのだと思います。つまり、この会社で、できれば、定年を迎えるという漠然とした望みを持っていました。勿論、就職といったプロフェッショナルな技術も持っていませんでしたので、会社からのJob Description もありませんでしたし、そういった期待もされていなかったと思います。よって、私個人の技術を拠り所にした仕事では無く、部や課での目標達成といった、集団単位での仕事になっていたのではないかと思います。

次に、諸外国と比べると日本では、ある一定の規格に沿った教育がなされているという特徴があります。更には、単一民族が大多数を占めている事情もあります。こんな事がベースになり、日本人は、比較的似た様な価値観や考え方を共有しているのではないかと思います。よって、皆で仕事をするのに、何の違和感も無く入れるのではないでしょうか。

このようなバックグランドをベースにしてできたチームは、個人の役割分担が曖昧になったり、メンバー次第で役割も変わって来るのではないでしょうか。そして、一部の気付いた人、または、できる人が  ”人と仕事の隙間” を埋めて、自然発生的に親分的な存在になって行くのでは無いでしょうか。

この親分的存在は、強いリーダーというより、皆のまとめ役としての能力が優れている方のほうが効果的にチームを引っ張って行けるのではないでしょうか。

私からみた “日本人の捉えるチームの在り方” とは、先ずチームが先に存在する。”チームワーク” とは、やるべき仕事に対して、どうチーム内で調整して行くかという事がベースになっているように思えます。

日本の現場にいる皆さんは、チームワークをどう捉えていますか?



現状維持を嫌うアメリカ的志向

nori-facenoriです。アメリカ合衆国でも日本でも、今年は大きな政権交代がおきました。いずれのケースでも、変革(Change)を求める民衆の強い意志が反映された結果と言われていますが、必要な「変革」は本当に実現するのでしょうか。

アメリカではよく「Change is progress」と言われ、多くのアメリカ企業のCEO達も頻繁に、変革しつづけられない会社は衰退する、と声を大にして発言しますね。私が90年代にシリコンバレーの米系企業でITバブルを経験した時は、アイディアが奇抜であればあるほどベンチャーマネーが集まり、うまく機能しているシステムもあえて破壊して全く新しいシステムを構築せよ、というような雰囲気でした。このような考えやカルチャーは、アメリカ繁栄の大きな原動力になると同時に、大きなリスクファクターにもなります。つまり、本当に必要な目標を達成するための変革なのか、それとも変革のための変革なのか、あるいは現状維持(status quo)をなんとしてでも避けるための変革なのか、という検討が十分になされないリスクです。

以前、私はリスクテイキングに関する日米の違いについて記事を書きましたが、アメリカ企業のマネジメントには現状維持のリスクを過大評価する、つまり現状維持を非常に毛嫌う傾向があるように思います。その結果、次から次へと新しい取り組みや組織を立ち上げようとするわけです。それ自体があたかも進化であるように。(アメリカ人投資家もそのような企業をより高く評価する気がします。)そこで私はあえて、「Only smart change can lead to progress」と言いたいですね。そして、現状維持を恐れて夜も眠れないアメリカ企業のマネジメントに対して、事業や組織の「連続性」あるいは「継続性」を重視すべき時もありますよ、と訴えたい。四半期で結果が出ないからといって、Failしたと判断しないように!皆さん、そう思いませんか。