New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


24時間働く覚悟はありますか?

morio-itozu-photo-1morioです。

先日ある外資系の会社で働いている友人が、この不況でコスト削減のため出張が減った代わりに、電話やテレビ会議がどんどん多くなったと話していました。

そのため、アメリカのHQの都合や上司の都合で、夜中の電話やテレビ会議が増えてしまってたまらないとこぼしていました。会社から一度帰宅して会議に参加することもあるけれど、会社に残って参加することも多いので体力的にも厳しいとこぼしていました。

以前、在米日系企業で働くアメリカ人マネジャーが、日本の本社と連絡を取る際にどうしても日本時間のビジネスアワーに合わせないといけないので、どうしても夜働くことになると話してくれました。入社する時には予想していなかったことだったので、幸い家族がサポートしてくれるから助かるけれど、サポートがなかったら厳しいねとコメントしていました。

どんなグローバル企業で働いていても、本社時間があり、権限や力を持つ人たちに合わせて仕事をしなければならない現実があります。実際、世界のビジネスは24時間ノンストップです。

ここで考えたいポイントが2つあります。

一つはグローバルなリーダーシップの観点から、上に立つリーダーの人たちが、参加するチームメンバーたちがどれくらい犠牲を払っているのか理解する感受性があるかどうかです。チームメンバーたちが自分たちがどれくらい努力し、犠牲を払っているのかをリーダーが理解した上で物事を決めているという認識を持つかどうかで、部下のモチベーションは変わってきます。たとえ最終的な決定はあまり変わらなくても、リーダーが自分たちの状況を理解してくれていると気持ちが生まれたら、犠牲者のメンタリティから貢献者のメンタリティに変わります。電話やテレビ会議の時間を少しでも変えるという柔軟性を示すgive and takeがどれだけお互いの生産性に影響を与えるか興味深いです。

二つ目のポイントは、グローバルなビジネスで日常起こってくる出来事、チャレンジに対して自分は対応し、乗り越えていく覚悟ができているかということです。

グローバルな世界で活躍してくためには、自分がどこまでできるのか、我慢できるのか、楽しめるのか、柔軟性を持っているのか、どこまで体力があるのか、しっかり自己理解をして選択をしていく必要があります。自分の限界がどこにあるのか、どこまでストレッチできるのかしっかり理解することが大切です。

言葉が違う、自分の常識が通じない、認識が違う、期待するように動いてくれない社員たち、日本国内で仕事をしているときよりエネルギーが何倍も必要となる、そのような中であなたは24時間働けますか?



リーダー改革 パート1

masaki-photo

masakiです。これは実際にあった話しです。視点が振れないように、かなり内容を簡略化しました。皆さんの意見を聞いてみたいと思います。

背景/状況:  大手日本のメーカーが、ニッチマーケットで優良技術を持っているアメリカの会社を買収しました。アメリカの会社は、約30名の小企業でしたが、この2〜3年で急成長した会社です。

日本からマネージメントも送られ、駐在員も増え、現地採用も増やして、今では、200名位の所帯になっています。更に、成長は続いております。昔からいたアメリカの現地社員が自動的にマネージャーに昇進しました。成長著しい為、更に若くてやる気のある技術者が入社している様です。

ここで問題が起きました。生産が追い付かなくなって来たのです。しかも、納期遅れで莫大なペナルティー料も発生しそうな状況になってしまいました。アメリカマネージャーを集めて、開発、生産スケジュールの見直しを何度も行っているのに、納期遅れは全く改善しません。

そこで日本人社長は、次の様なリクエストをアメリカマネージャー達にしました。

1. プロフェッショナルである事。

2. 責任を持つ事/言い訳をしない。

3. リーダーとは:  問題がある時は、それを解決する。プレッシャーを楽しむ。

数週間経っても、問題は改善されません。納期が遅れているにも関わらず、マネージャーの何人かは、5時になると部下をおいてさっさと帰ってしまいます。文句を言っても、「私達は、一生懸命やっている。精一杯だ。」という言い訳が聞こえるばかりです。

日本人なら残業をしてでも納期を守るのに。なぜ5時に帰っておいて、精一杯仕事をしている何て言えるのだろう。。。と社長には不思議に思えます。

社長曰く「今のマネージャー達は、マネージメント教育も受けた事無く、長くいたというだけの理由で昇進してきた人達である。能力が無いのではないか。マネージメントの基礎が分るように、マネージメントに関する本を読ませよう。」取り合えずは、ここから始める事になりました。

ここで、皆さんにお聞きします。

Q1:  ここでの問題は、どんな事が考えられますか。

Q2:  社長の行動で、問題は解決されるでしょうか。

ご意見、お待ちしております。



Being independent

morio-itozu-photo-1Morioです。今日は、アメリカはIndependence Day(独立記念日)の休日です。

Independence Dayを祝い、アメリカ中で花火を打ち上げるなどお祭り騒ぎです。

ただ、今年は税収不足による赤字財政のため、花火大会を中止する町もいくつかあるようです。寂しい限りです。

さて、みなさんは、「Don’t get into my sand box.」という英語のフレーズを知っていますか? 直訳をすると「私の箱庭に手を出すな。」ということです。

同じように使われる表現は、「I can go it alone. 」つまり「一人でやれる」です。Being independentを良しとする訳です。自分一人で自由に他人の干渉抜きにやりたい、そんな気持ちがあるようです。

仕事を任せたら、100%任せて欲しい、途中であれこれ言わずにほっといて欲しい、アメリカ人の社員の意識の中に必ずあるようです。自分を一人前のビジネスプロフェショナルして認めてくれているならほっといて自由に任せて欲しいということです。

仕事を任せてくれない上司、自由にやらせてくれない上司、権限委譲をしてくれない上司のことをアメリカ人は、「micro manager」と言って嫌いな上司の代表選手として上げています。

本当に仕事ができる部下なら安心して任せられますが、普段から能力に劣っていて実績がないと思う部下に対してどう対応するか在米日系企業の日本人マネジャーの多くは苦労しています。

実際には、どれだけ部下に仕事を任せるのか、権限を委譲するのか、これらもマネジャーとして重要なリスクの取り方の一つだと思います。