New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


コミュニケーション能力

masaki-photomasakiです。noriさん同様、今回の日本出張では沢山の人とお会いし、日本人の国際化、この大不況を乗り切る方法などの意見交換ができました。私の知り合いは、かなり前向きに行動している人が多かったです。頼もしいかぎりです。

先の見えない大不況、国境の無い市場、人種の入り交じった職場環境。。。今まで一般的日本人には、あまり経験の無い時代に入って来ています。そこで、一番大切なスキルは何だろうかっていう話しになりました。

先ず最初に出た意見は、コミュニケーション能力でした。国、土地柄、文化、言葉の壁を越えて正確に自分の伝えたい内容を相手に受け取ってもらえるスキルが不可欠である。勿論、文化的に ”して良い事、してはいけない事” を守るのは当然ですが、それ以上の物が求められているという事です。

では、そのコミュニケーション能力を磨くには、どうしたら良いかも話し合ってみました。自分自身の快適な空間、経験済みの事柄を飛び越えて、未知の世界に飛び込める力を持つと同時に、教育、人生観、人種の違う人、それぞれが持っている価値を引き出せるよう意識し、 行動する。そういう経験を積むことで、自分が今までに経験した事がない状況に陥った時、又は先が見えない時に自信が持てる。それを繰り返し体験する事で、コミュニケーション能力が磨けるのではないだろうか。

皆さんは、どうお考えですか。国境、人種、人生観、宗教、世代を越えたコミュニケーション能力を磨く具体的な方法は何かありませんでしょうか。



Resilientな姿勢

  

nori-facenoriです。今、成田のラウンジで書いています。12日間の東京滞在を終え、これからサンフランシスコに戻るところです。

今回の出張でも金融、IT、食品、素材、輸送などいろいろな業界の方々とお話しする機会があり、有意義な時間を過ごしました。昨今の大不況の影響は日本でもかなり深刻で、人員削減や投資計画の見直し、あるいは事業自体の抜本的な再編といった話が中心となり、なかなか明るい話題が出てこなかったのが現実でした。しかし、印象的だったことは、このような厳しい状況の中にあってもなんとかポジティブに物事をとらえようとする、多くの方々の熱意と姿勢でした。自分がコントロールできないことについて悩んでいるよりも、コントロールできることにフォーカスしようと努力している人、文句を言いたい理不尽なことは山ほどあるけど、まずは客観的に状況を分析して解決策をみつけようとする人、あるいはこういう厳しい状況だからこそ、より多くの人たちとコミュニケーションをとろうとしている人など。大変素晴らしい、の一言ですね。

私は「Resilient」という言葉が好きですが、まさにこのような方々を表現するのにぴったりな言葉です。直訳するのは難しいですが、はね返る力や弾力性がある、といった意味合いがあります。苦境に接すると、我々のエネルギーは縮小するか負の方向に向かいがちです。それは人間の自己防衛本能ですから仕方がありません。特に組織の拘束力が強い日本のビジネス界においては、その影響が非常に大きいと言えます。その流れに直面しながらも、いかに自分自身の意識と行動をポジティブな方向にはね返せるか。そうです、これもグローバル化2.0におけるBeing変革の重要なステップなのです。状況に逆らう意志、あえて楽観してみる姿勢、情報交換の場やソースを増やす意欲など、その要素はさまざまです。

きっと皆さんの中にも、Resilientな自分が潜んでいるのではないでしょうか。ぜひご意見をシェアしてください。See you soon…



個人事業主として生きる心構え

morio-itozu-photo-1morioです。このところ発表されるアメリカの雇用状況はどんどん悪くなってきています。3月6日に発表された失業率は8%でしたが、今後9%から10%になりそうだという予想です。私が住んでいるカリフォルニア州ではすでに10%を超えています。
3月13日には、カリフォルニアの州政府の財政危機の影響で多くの公立学校の先生にレイオフの可能性の通知が送られました。実際、私の回りの友人知人の中にもレイオフになった人たちが出てきました。  

日本でも、外資系の会社で働いているみなさんには嵐が吹き荒れているのではないかと思います。突然、欧米の本社の指示や決定で、日本のビジネスファンクションの縮小や日本からの撤退、本社のM&Aによる組織の改革やコストカットによるリストラ等が起こり、働く状況が変わってしまうかもしれません。

先日、友人のアメリカ人が「今の時代、組織の中で仕事をするのも、独立して個人で働くのも最終的なリスクは同じだ。組織に雇われていて自分の仕事がずっとあるなんてそれは幻想だよ。」と話してくれました。「今は組織に所属していても、今の仕事が終わったら、それで終わりとなることもありえる。プロジェクト単位の契約と同じことさ。良くも悪くも映画の製作と同じだよ。」と別の友人がコメントしていました。

「そんな状況だったら、自分のボスに自分がなる方が良いかもね。少なくても自分の時間や人生、家族を考えたら、独立する方が良いというオプションもあると思うよ。」と付け加えました。

「とにかくはっきりしているのは、いつでも自分ができること、提供できる価値が明確になっていないと最初に首を切られるよ。」とも彼は言っていました。

厳しいけれど、これが現実だと思いました。これからのビジネスプロフェショナルとして成功していくためには、たとえ企業に勤めていても、自分は個人事業主という意識を持って仕事をすることが大切なのではないでしょうか。社外、社内の自分のクライエント、顧客に対してどんな素晴らしいサービスを提供し、満足させることができるか、絶えず意識し努力しないといけないと思います。

そのためには、一企業家、一事業主という観点から、「自分という商品」をどのように売っていくのかという事業戦略やビジネスプラン、ビジョン、マーケティング戦略を持つことが大切です。そのような意識を持って準備をすることが、結果的として自分のキャリアプランとなり、スキルアップ、ネットワーク、人脈づくりにつながり、レジメや履歴書を絶えずupdateしておくことにつながります。

確かにアメリカに比べて、まだまだ日本では、組織から実際に飛び出し独立していくことは難しいです。サポート環境もまだまだ厳しいと思います。すぐに会社を飛び出せと言っているのではありません。こういう厳しい時だからこそ、たとえ会社の組織の中で生きていくとしても自分は個人事業主という意識を持って仕事をすることが自分の仕事のクオリティを高め、自分のやる気にもつながります。会社も個人も今までのような甘えのある関係はグローバル化していくビジネスの中ではますます今後期待できないものになっていくと思います。



日本人のグローバル化: Beingの一例

masaki-astdmasaki です。今、日本へ向う雲の上から書いています。

3月10日付けの朝日新聞の社会面に、フィリピン人一家の在留特別許可に関する記事が載っていました。概略だけ申しますと、入管側の主張は、両親は偽造旅券で不法入国しており、正規のビザが切れた不法残留より悪質と判断、強制送還を求めているという内容でした。

一方、フィリピン人一家の代理人弁護士は人道的配慮から在留特別許可を求めているという事でした。日本の皆さんは、よくご存知のニュースだと思います。各論という視点から見ると、面白い議論ができそうですね。特に、法と人権という土俵上の議論なら。。。

海外に住んで外から日本を見ていると、いつも不思議に思う事があります。日本のメディアは、各論の展開やあった出来事を単に伝えることは、非常に優れていると思います。客観性重視という呪縛に捕われているのかもしれません。この傾向は、朝日、読売、日経、Japan Timesまで見られるように思われます。よって起こった出来事を知るには、どの一般紙を読んでも大差が無いように思えます。そして、議論の発展性も乏しいですね。

はてさてmasaki さん、何が言いたいのって言われそうですね。例えば、これが The Wall Street Journal, New York Times, 時にはFinancial Times など、グローバルに読まれている新聞ですと、各論の展開を一面で取り上げた後、核心を突いた展開が社会面などで紹介されます。もちろん、記事の重要度にもよりますが。核心を突いた議論が正しい、間違っているという問題はさておき、社会で起こっている現象、事件の核心に触れて行こうと言うメディアとしての姿勢が見えて来ます。

例えば、この問題の全体像、又は核心に迫る現象な何なんでしょうか。法の公平か人権かという各論の先に、日本社会として取り組まねばならない大事な事柄が見えるような気がします。

アメリカでは顕著ですが、国境を越えた労働力は止めようがありません。日本でも高齢化社会を迎え、労働人口の減少は避けがたい事実です。社会福祉の業界では顕著にその傾向が見られますね。この事象に蓋をして各論の論争にもっていっても、本当に今そこにある危機を見落としてしまいます。(誤解が無いように、別にこの記事の書き方が悪いとは言っていません。)

足りない労働力を海外からの移民に頼らなくてはならない現状、これはアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど、ほとんどの先進国で起こっています。日本も社会問題として、取り組まなければならない問題でしょう。多分この問題は、別々の記事として、別々の位置づけで扱われた事はあるのかもしれません。

しかし各論の先にある核心部分をいつも見極められる、または核心を追求する心構えがもっともっと日本のメディア、私達日本人に必要な気がします。

色々な国の人と日常的に仕事をしていると、「それで君の意見はどうなの?」って、オウム返しに聞かれます。私達日本人は、社会問題だけでは無く仕事上の問題も含めて、自分の意見を各論を乗り越え相手が消化できるようにまとめて主張する訓練が余りできていないと感じられます。

自分なりに核心を見極め、追求してゆく事。このへんの脳の使い方を鍛えて行くと、海外の人との議論ももっともっと楽しく、有意義に展開できるのではないでしょうか。きっと、グローバルな仕事も楽しくなりますよ。

これもNoriさんのおっしゃっていたBeing (在り方)の一部だと思います。時には新聞報道、世論、上司の主張にチャレンジしたり、核心に迫ってみてもてもいいんではないでしょうか。

皆さんは、どうお感じですか?



ソニーのChange

morio-itozu-photo-1morioです。先日、ソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者)が新たに社長も兼務し、社内改革に取り組み、不振の中核事業であるエレクトロニクス部門も直接統括下に置くという発表がありました。

ストリンガー会長の社長就任に伴って、中鉢良治現社長は、4月1日付で副会長に退くことになりました。この人事の狙いは、ストリンガー会長に権限を集中し、黒字回復のためにはどうしても避けて通れない「痛みを伴う社内改革」を推し進めることだそうです。

ストリンガー会長は意思決定の方式も旧来の「合意形成型」からよりスピーディな「トップダウン型」に変えるそうです。

ゴーンさんの日産の改革の時と同じように、今回のソニーの場合も外国人をトップにして組織の再生を目指しています。組織改革の一つのモデルです。

ソニーが今後、どのような会社になるのか楽しみですが、同時に漠然とした疑問が浮かんできました。

急激な組織改革、再生を目指す時には、日本人のリーダーでは難しいのでしょうか?

どうして日本人のリーダーだと痛みを伴う社内改革を押し進めることができないのでしょうか?

今年は、トヨタでもトップが変わります。創業者ファミリーからのトップです。またホンダでも社長が変わります。それぞれ日本を代表するグローバル企業がどのように変化していくのか注目したいと思います。

そして、欧米のグローバル企業でいつか日本人がトップリーダーとして変革を行う日が来ることを望んでいます。

そのためには、私たちはプロフェショナルとして何が大切なのか考えていきたいと思います。