New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


恥と罪悪感

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masaki です。ちょっとこの数字、どう思います? 230億円、156億円、125億円。。。過去のアメリカ企業のCEOの年収です。因みに、今週月曜日にChapter 11の申請に入ると言われているGMのCEOは、14億円貰っていたと言われています。その一方で、Toyota の社長は年収1億円以下と言われております。

GMは、去年第3四半期に約2,500億円の赤字を計上し、レイオフされる社員は30,000人を越えるとも言われています。一方、Toyotaなどの日系企業は、ワークシェアリングなどを採用して、出来るだけ正社員の雇用を維持しようと勤めているようです。

破産法11条申請に入りそうな企業のCEO、一方、業界ではトップでありながら、この大不況を乗り切ろうとする日本企業のCEO。。。年収の格差、約14倍。。。どういう事なんでしょうかね。

日本の皆さんから良く聞くコメントに、そして思わずオバマ大統領が言った言葉に、「恥を知れ!」ってありました。

今回は、”恥” の文化と “罪悪感” の文化について話してみたいと思います。簡単に言いますと、日本文化では、”他人にどうみられるか。”、”他人に対して恥ずべき行為はしない方がよい。” といった感覚が存在していると思います。よって、社会全体からのプレッシャーや世間体により、とんでもない行動、発言は押さえられているように思われます。

それとは対局的に、アメリカの文化は“罪悪感” による所が多い様に見受けられます。ここでは、自分自身に向けての罪悪感を意味しています。アメリカ人から良く聞く言葉で、I deserve a vacation.  とか、I deserve promotion. などがあります。「私は、これだけの事をしたのだから、昇進されないとおかしい。」そして、その目的が達成されないと、I feel guilty. 自分に対して “罪悪感” を感じてしまうようです。

つまり、多くのアメリカ人の根本的発想は、「結果や将来の地位や成功は、自分の手で勝ち取る、取りに行くもので、他人が与えてくれるものでは無い。」よって、「それが現実のものになっていない場合は、自分自身の主張が足りない、又は、ややり方が悪いのではないか。」という理解になる事が多いようです。特に感情的になった場合は。よって、「自分が信じている自分の価値を徹底的に追求し、評価を勝ち得る事は、とても理屈に合う良い事であり、他人にとやかく言われる筋合いのものではない。」

一方日本の場合は、昇進は上司が決める事。また、代表には、周りから推薦されてなる。といったような、自分以外からの影響が大きいという発想が多数をしめているように感じられます。少なくとも表面上は、そういった行動が好感を持たれ易いですね。

だから日本人の感覚からすると、アメリカ人の主張や表現が攻撃的に見えたり、又は自分勝手に映ってしまう事もあるのだと思います。”恥” という感覚を持ち合わせた人は、比較的少ない感じがします。

Shame cultureSin culture の違い。こんな所にも影響がみられるのですね。こんな観点からも日米のビジネスマンの行動を比較してみると、もう一歩先の国際化、Beingを享受できるのではないでしょうか。

どうです、こころ当たりありませんか?

* 参照:  “The Chrysanthemum and the Sword-Patterns of Japanese Culture” by Ruth Benedict




新型インフルエンザ

morio-itozu-photo-1Morioです。このところ日本から伝えられるニュースは新型インフルエンザの話題が中心です。映像を見ると町を歩く人たちがみんなマスクをしています。

日本では、予防対策としてマスクをするのが一般的です。

その結果、町の薬局ではマスクが品切れのところが多くなっているようです。

今朝たまたま見た中国語ニュースのレポーターが、薬局でマスクが売り切れになっているというニュースを日本から伝えていました。

先日、私の住んでいる町のレストランで友人が食事をしているとマスクをした集団が店に入ってきました。友人がちょっと異様だなと注目していたら、後で日本人の団体の旅行者であることが分かり納得したそうです。

すでに多くのアメリカに住んでいる日本人の方が報告されていますが、アメリカでは、新型インフルエンザ予防対策でマスクをしている人はほとんどいません。

そこで、質問です。

もしあなたが、出張でアメリカの重要な業界のカンファレンスに参加し、その後カストマーの会社を訪問しなければならなくなりました。会社では特に海外出張を自粛するという方針がでており、本来なら出張を取りやめたいところですが、今後のビジネスを考えるとどうしても出張しなければなりません。今回は会社のガイドラインに従って行動するということで出張の許可が下りました。

現在の会社の新型インフルエンザ対策のガイドラインでは、飛行機や大勢の人が集まるところに出かけるときは、マスク着用が義務づけられています。

行きの飛行機の中では、日本人も多く、マスクをしている人もたくさんいました。

でもアメリカの空港につくと、マスクをしている人は、日本人を除くとほとんどいません。

当日の朝、マスクをしてカンファレンスの開催されるコンベンションセンターに行ってみると大勢の人が集まっていますがマスクをしている人は見当たりません。突然、主催者側のスタッフに呼び止められ、「病気なんですか? もし病気だったら、他の大勢の参加者の方々の迷惑になるので、参加せずに帰ってください。」と言われました。

このままカンファレンスに参加できなければ、何のためにアメリカまでやってきたのか分かりません。

Q1 あなただったら、マスクを外しますか?それとも会社の指示に従ってマスクをしたままで通しますか?

Q2 もしこの状況の当事者が、あなたの部下で、部下からどうしたら良いか、指示を求められた時に、上司のあなたは、どのように対応しますか?

グローバルなレベルでビジネスをする上で、このような意思決定を求められる状況が次々起こります。

みなさんだったら、どのような意思決定をしますか?

You make a call!



草食系男子と肉食系女子

masaki-photomasakiです。ちょっと今回は目線を変えて見たいと思います。今回のアンケートで、日本人の特徴に興味を持った方が多くいらっしゃいました。アメリカに10年以上住んで、日米間を行ったり来たりしていると、日本で暮らしていた時には全く気付かなかったのですが、ふっと異常に思える事があります。

日本人は、物事、性格、現象をある型にはめたがる傾向がある様な気がします。先日知った言葉で、”草食系男子と肉食系女子” と言うグループが一世を風靡していると聞きました。

一体全体何だそりゃ!って思った私です。皆さんの方がご存知なので、説明は省きます。草食系男子は、特に20代、30代に多くみられるとの事。いくつかある特徴は、傷つけられたり、他人を傷つけることを嫌い繊細である、恋愛に使わないエネルギーは趣味や仕事、ファッションに向かう、いい人止まりになりがち、外出より部屋にいる方が好きなどなど。。。このブログの読者の中には、こういったグループの方を部下に持っていたり、顧客に持っていたり、または同僚いたりするのかな~と思い、これは凄い事になっていると思いました。この傾向は恋愛だけに留まらず、日常生活全般にも言えるのではないでしょうか。

ここで2つ、これは日本人らしいな~って思う事があります。一つは、本当に上手くグループ分けができているな~と言う事。二つ目は、もし草食男子の定義付けが正しいのなら、「お~い、日本の若者よ~。大丈夫か~?」っと叫びたくなります。

一つ目の上手なグループ分け、又は、ある型にはめたがる傾向ですが、こちらアメリカは日本ほど性格、行動様式に特徴を置いたたグループ分けがしずらい社会です。勿論、専門家がマーケティング、マーケットリサーチという観点から、Generation X, Generation Y, Hispanic系とか便宜上グループ分けしますが、一般の人の間で、日本の様にここまでグループとして話題性を集める事は無いように思えます。アメリカ自体が、他民族国家、多種多様な文化を飲み込んで発展して来た社会なので、考え方の根本的にあるのは、”人はそれぞれ違うもの” という発想にあります。皆が、ある共通の行動をするなんていう認識が存在しないと思います。勿論、カルト教団は例外でしょうが。。。

日本人ビジネスマンのプレゼンの質疑応答で、良く耳にする事があります。特に日本人が、”We, Japanese, think….” とか “Our company usually…” と言う表現を使った時です。アメリカ人が真っ先に思う、又は質問する事は、その事はStereotypeなのか、それともGeneralizationなのか、という事が多いですね。私には、その違いが分る日本人に未だ出会った事がありません。

この違いは、比較的単一民族の社会で育ち、グループ分けしやすい生活環境を基に生きている人達と、根本的に他民族国家、多種多様な文化が生活環境の基盤になっているかの発想の違いにあると思います。つまり、人は大体同じ考え方という発想の社会と人はそれぞれ全く違う考え方という発想の社会の違いですね。

グループ分けし易い、特徴がつかみ易い、つまりマーケティング戦略が作り易いのが日本人の特徴の様な気がします。流行が好き、ブランドが好き、今ニューヨークで流行っているファッションは。。。日本人はそう言うのに敏感ですよね。日本で「これっ、ニューヨークで大流行ですよ。」と言う物を実際のニューヨーカーが知らない事も多々あります。多分、一部のニューヨークのサブカルチャーレベルでの流行の話しなんでしょう。そういった意味で、日本人の一つの特徴として、ある型にはめたがる傾向が感じられます。

二つ目の「お~い、日本の若者よ~。大丈夫か~?」って話しです。”草食系男子と肉食系女” が20代30代に増えている。これって結局、表面上は周りの事を気遣っている様で、実はかなり身勝手なグループの様な気がします。良い言い方をすれば、自分達の事が精一杯で、頑張って生きている人達。。。

本当に大切な事の為には、時には自分自身や他人の気持ちが傷つく事があっても、行動を取る事が大切であると思います。自分のポリシーを持ち、それを軸に行動する勇気は、他の国の人からも尊敬される事が多いです。

大切なのは、相手を傷つけてしまった場合、根気よくフォローをする事です。まあ、相手を傷つけてしまった事自体に気付かないと話しになりませんが。。。大体、このフォローをしなかったり、途中で止めてしまったりする事で誤解が生じる事が多いです。フォローって、時間も労力も掛かります。かなりのエネルギー、パワーが必要ですね。何もしないで、み~んな仲良しなんて、現実の世の中あり得ません。特にグローバルな環境になっている現在では、そして、これからも。。。

そんな環境の中で日々生きている私は、もっともっと日本人にたくましくなって欲しいし、世界のリーダーとして活躍してもらいたいのですが。。。勿論、私が先陣を切って行きますがね。

「お~い、自分の人生だろ!エネルギッシュに、もっと情熱を持って生きた方が楽しいぜー。」

これって、私の身勝手なおしつけにならない様にしないとね。でも、ヤルッキャないでしょう。今の日本、見てられないよ。

因に私は、100% 雑食系男子です。

最後に折角ですから、日本ではなかなか学べない英語をお知らせします。ここで意味を述べるのは誤解を招く可能性がありますので、ご自分でお調べ下さい。ヒントは、このトピックに関連があります。c.f. Urban Dictionary

1.  Couger (猫科の動物、クーガーですよ。)

2.  1 が成長すると Puma (所謂ピューマ)

3.  2 がもう少し成長すると Jaguar (ジャガー)

お楽しみあれ。



アンケート結果について

Dear NJI Readers,

みなさんのご興味に関するアンケートにご協力いただき、ありがとうございました。ここで簡単にアンケート結果をご報告いたします。本アンケートでは、以下の10項目の中で最も興味のあるものを3つ選んでいただきました。

1.海外から見た日本人ビジネスパーソンの特徴や行動パターン 
2.日本人が不思議に思うアメリカ人ビジネスパーソンの行動
3.国際舞台で活躍する人たちの人生観や価値観
4.アメリカ人との会議やテレコンのやり方
5.ビジネスプロフェッショナルとしてのこれからのマインドセット
6.英語による実践的コミュニケーションのノウハウ
7.外国人の上司、同僚、部下とのつき合い方
8.これからのグローバルビジネスで欠かせない人材開発とは
9.アメリカで起こっている出来事の真相と読み方
10.興味のあるその他のトピックス例

このうち最も多く選択されたのは次の3つです。(多い順)

1.海外から見た日本人ビジネスパーソンの特徴や行動パターン 
2.日本人が不思議に思うアメリカ人ビジネスパーソンの行動
8.これからのグローバルビジネスで欠かせない人材開発とは

読者のみなさんにとって価値の高い情報を提供するために発足したこのブログでは、この結果を重要視しながら、今後も積極的に情報発信し、みなさんとの活発な意見交換を実践していきたいと考えます。なお、ご興味のあるトピックスのご提案やご意見はいつでもウェルカムですので、フィードバックしてください。

これからもたくさんのコメントをお待ちしています!

masaki, morio, and nori