New Japan Initiative Blog – 在米コンサルタント3人が日本人ビジネスパーソンに提言します!


現状維持を嫌うアメリカ的志向

nori-facenoriです。アメリカ合衆国でも日本でも、今年は大きな政権交代がおきました。いずれのケースでも、変革(Change)を求める民衆の強い意志が反映された結果と言われていますが、必要な「変革」は本当に実現するのでしょうか。

アメリカではよく「Change is progress」と言われ、多くのアメリカ企業のCEO達も頻繁に、変革しつづけられない会社は衰退する、と声を大にして発言しますね。私が90年代にシリコンバレーの米系企業でITバブルを経験した時は、アイディアが奇抜であればあるほどベンチャーマネーが集まり、うまく機能しているシステムもあえて破壊して全く新しいシステムを構築せよ、というような雰囲気でした。このような考えやカルチャーは、アメリカ繁栄の大きな原動力になると同時に、大きなリスクファクターにもなります。つまり、本当に必要な目標を達成するための変革なのか、それとも変革のための変革なのか、あるいは現状維持(status quo)をなんとしてでも避けるための変革なのか、という検討が十分になされないリスクです。

以前、私はリスクテイキングに関する日米の違いについて記事を書きましたが、アメリカ企業のマネジメントには現状維持のリスクを過大評価する、つまり現状維持を非常に毛嫌う傾向があるように思います。その結果、次から次へと新しい取り組みや組織を立ち上げようとするわけです。それ自体があたかも進化であるように。(アメリカ人投資家もそのような企業をより高く評価する気がします。)そこで私はあえて、「Only smart change can lead to progress」と言いたいですね。そして、現状維持を恐れて夜も眠れないアメリカ企業のマネジメントに対して、事業や組織の「連続性」あるいは「継続性」を重視すべき時もありますよ、と訴えたい。四半期で結果が出ないからといって、Failしたと判断しないように!皆さん、そう思いませんか。



チームワーク

masaki-photo masakiです。先日、アメリカ人の友人から呑みに行こうと誘われました。仕事の件で、相談したいとの事。いつも脳天気な彼が少し荒れている感じがしましたので、私はワクワク (不謹慎ながら) しながら、話しを聞きました。彼は、日系企業に勤める技術者です。

「会社で何があったの?」って聞いてみると、上司(日本人)に「君は、自分の事だけやって、本当にチームワークが悪いね。他のメンバーはシッカリチームワークとっているのに。」と嫌みを言われたそうです。

「それで、君はどう思うの?チームワークの事を全く考えていないの?」との問いに、こんな答えが返って来ました。

僕は、自分が与えられた役割、仕事をキチッとこなしているよ。だから、他のチームメンバーが必要なデータをスケジュール通りに得られるんでしょう。スケジュール通りにデータを出すって、結構大変な事なんだよ。前任者は、できていなかったしね。チームに対しては大きな貢献をしているハズだよ。何で、チームワークが悪いなんて言われるんだろう。

「ひょっとして、チーム全体として、何か上手く行っていない事でもあるの?」

確かに、チーム全体で取り組んでいるプロジェクトに遅れが生じているよ。それは、別の担当者に問題があるみたい。彼、技術者としては余り優秀じゃ無いみたい。何か、日本人達と毎日遅くまで仕事をしてるけどね。でも何で、担当者でも無い、専門家でも無い日本人が助けているんだろう。時間の無駄だと思うけどね。やるべき事をやれない彼こそ、チームワークが悪いんだと思うんだけど。。。何で僕が嫌みを言われるわけ?

ここで、日米間で良くあるミスコミュニケーションに気付きました。彼の捉えている “Team Work” と 日本人上司が捉えている “チームワーク” の意味合いが違うのです。英語にすると、同じ言葉のTeam Work ですけどね。良くある事です。

「じゃ、君の言っているTeam Workって、どんな事なのかな〜?」

それぞれ仕事のプロとして雇われているのだから、自分の仕事をキッチリやる事がTeam Workに貢献する事だよ。だって、僕のできない所を仲間がプロの仕事をして、補ってくれる。それで、チーム全体として良い仕事ができるんじゃない?会社組織と一緒だよ。会計のプロがいて、営業のプロがいて、生産のプロがいて、社長がいる。それぞれのプロ集団が一致団結して、良いTeamを作って、良い仕事をするんじゃない。

つまり、できない所を補って仕事を達成するのがTeam Workで、Teamに貢献する事の基準は、自分のプロとしての仕事をシッカリやる事らしいです。一つの仕事に皆で取り組む事とは、違う性質のようです。

私は彼の上司と話していませんので想像の域をでませんが、日本人上司が捉えている ”チームワーク” は、仕事が遅れている担当者を皆で助ける形のチームワークを期待しているのかもしれません。この視点から見ると、彼のチームワークは悪く映るのでしょうね。

この日彼は、私と夕方5時に待ち合わせしていました。他のチームメンバーは、残業だそうです。勿論、彼にはチームを残して呑みに行く後ろめたさや、チームワークという関連には全く気付いていないようです。

良い悪いの判断は別にして、このように同じ単語を使っていてもお互いが違う認識を持っていた場合、話しがこじれる事が沢山あります。特に、日米間では。

皆さんは、こんな経験ありませんか?



アメリカのグローバル化

nori-facenoriです。今回はアメリカについて考えてみます。皆さんはアメリカ合衆国(USA)について考える時、どのようなイメージが頭に浮かびますか。超大国、カウボーイ、ハリウッド、ハンバーガー。。。それらの表面的な印象を乗り越えたレベルでは、いかがでしょうか。

先日、オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞したという報道がありましたが、アメリカのメディアの中には、これはグローバル社会におけるアメリカのイメージが大きく好転したことの現れであると報じたところもありました。それが本当なら喜ばしいことですが、より重要な問いかけは、「なぜ大きく好転するほど、最近のイメージが悪かったのか」ということです。もちろん、9/11以降のテロ対策の行き過ぎや、ウォール街に発した今回の金融不安も影響しているとは思いますが、それだけではないと考えるべきでしょう。

私はアメリカに住んで20年以上になりますが、確かにいろいろな意味で「アメリカ」、そして「アメリカ人」が変わろうとしていると思います。しかし、当然のことながら変わっていない点も多々あり、その代表がアメリカ人の潜在意識にある、「自分の自由を奪う恐れのある権力に対する異常なほどの不信感」です。それがアメリカの独走的(独善的)に見える行動を生んでおり、社会がグローバル化すればするほど、それを脅威に感じる人が増えてきていると考えられます。つまり、他人(=権力になりうる存在)に頼ることを避けて、自分の責任において好きなようにやることを善とする、そして逆に自分が権力になってしまえば、権力を恐れる必要はなくなる、という精神です。実はこのようなアメリカ人の行動は、グローバルビジネスにおいても日常茶飯事に起きていると思いますが、いかがでしょうか。

誤解のないように言うと、私はさまざまな理由でアメリカが好きですし、学ぶべきことは多いと感じます。しかし、現在起きている健康保険制度の改革論争からもわかるように、中央政府に束縛されることを異常に嫌う民衆の姿を見ていると、私はこの国民がグローバル社会の一員として、適度なhumilityを持ちながら本当のリーダーシップを発揮するのには、もう少し時間がかかると思っています。これはグローバルビジネスにおけるアメリカ人に対しても同じで、私としては「アメリカ人のグローバル化」を求めて止まない今日この頃です。ご意見お待ちしています。



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いつもこのブログをご覧くださりありがとうございます。3人の在米日本人ビジネスコンサルタントが運営するこのブログでは、読者の皆さんから意見のみならず、質問も募集しています。あれってホント?、ちょっと気になるんだけど、こんな場合はどう考えたらいいの?、など、どんなに些細なことでもお気軽に、下のコメントのリンクをクリックしてお問い合わせください。我々の率直な考えをシェアさせていただきます。

これからも、皆さんにとって価値のある情報と進言を提供していきたいと考えています。どうぞご期待ください!

Masaki, Morio, Nori



アメリカの採用事情と影響力

morio-itozu-photo-1morioです。みなさんもご存知の通り、アメリカも不景気です。失業率も上がっています。一度今の仕事を失ってしまうと、次の新しい仕事を見つけるのは大変難しい状況が続いています。

ある企業の人事担当者がシリコンバレーで事務職の求人広告をインターネットの求人サイトに掲示したところ、3時間で600人以上の応募があり、担当者はあまりの多さで対応に忙しく仕事にならなかったとこぼしていました。

さて、このところ就職のためにレジメを提出する時にSocial Network Service (SNS)のFacebookやMy Space、そして最近話題になっている Twitterの個人のアドレスの記載を求める企業が増えています。

理由は、応募者が本音レベルで具体的にどんな発言行動をとっているか調べるためです。たとえ面接の際に非常に良い受け答えをしていても、それがその場限りの建前の発言なのか、あるいは正直な反応なのか、本音なのか、実際に今までどんな発言をしてきたのか調べ、本当に採用するに値する人材なのか、判断するのです。どんな考え方をして、どのようなコミュニケーションをしているのか、採用する企業の価値観、ビジョン、行動規範に本当にふさわしい人材なのか、バックグラウンドチェックとして使っています。応募者の反応は、個人のプライバシーの侵害だと反発するより仕方がないという人が多いようです。そして、むしろ積極的に自分のアピールやプロモーションになると考えている人も多いようです。

最近、さらにSNSの新しい使い方をする企業が現れてきました。特にTwitterに関してその人のサイトにどれだけの数のフォロワー、支持者がいるのか、つまりオピニオンリーダーになっているのか、インターネット上での影響力に注目するところが出てきました。どれくらいの読者に影響を与えられるか、そしてそれを採用の基準にするのです。どれだけの人たちに興味ある話題や意見を提供し、影響を与えているのか、実際に何人の人たちが働きかけられる人脈としているのかを採用の基準にするのです。コミュニケーションの発信源として活動しているか、いかに受け身でなく、積極的に意見を発信しているかが重要になってきています。

あるアメリカ人キャリアコンサルタントが、昔はコンピュータスキルとしてマイクロソフトワードやエクセルを使えることが必要だったが、今はTwitterでどれだけ人に影響力を与えることができるかが重要になったと言っていました。

果たしてインターネット上の影響力と実際の組織での影響力とは同じなのか、疑問は残りますが、積極的に意見を発信し、人を引きつけ、巻き込んでいくことができる力がますます重要になり、多くの人脈を持っているかが鍵になる時代がやってきたようです。そして、グローバルな世界で活躍していく上でも、影響力は見逃せないポイントの一つとなっていきそうです、

日本でもこれから同じようなことが起こってくるのでしょうか?